2014年10月28日火曜日

第2回「発達障害児向けボーイズタウンCSP」質問と回答(Q & A)

2014年10月4日(札幌市)、9日(泉佐野市)、11日(宮崎市)にて開催された第2回「発達障害児向けボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング」研修で、皆様からいただきましたご質問とボーイズタウン講師の回答を掲載させていただきますので、ご参考になさってください。

Q: 発達障害を持つ子どもに落ち着くスキルを教えるときにはどうすればいいですか?
A: 一度に全てのステップを行うことが難しい場合は、ステップを1つずつ教えていくことが大切です。
それぞれのステップのモデリングを必ずして下さい。そして、練習は楽しく行えるようにしましょう。それぞれのステップを表すイラストや漫画、本などを作って子どもに見せながら教えることも有効です。指人形やぬいぐるみなどを使ってもいいでしょう。落ち着きキットを作ることもおすすめです。

Q:「指示に従う」や「アドバイス(自分と違った意見)や結果を受け入れる」などのスキルがありますが、
  子どもの気持ちを無視することになりませんか? 
A: 私たちの一番の目標は、子どもが社会で成功することです。
社会スキルは子どもが大きくなってからも使い続ける人生のスキルです。
子どもが自分の気持ちや意見を言うことは大切ですが、不公平だと感じてもその場では指示に従うことが大人になるということです。社会に出れば、上司の指示に従わなければなりませんし、毎回反論していれば、いずれは職をなくしてしまうでしょう。どうしても自分の意見を言いたいときには、一度「指示に従う」や「アドバイス(自分と違った意見)や結果を受け入れる」スキルを行ってから、15分ほど時間をあけて「意見の違いを上手く言う」スキルを使います。
すると、大人の人は子どもの意見を聞いてくれる可能性が高まるでしょう。

Q: スキルの中に「相手の目を見る」ステップがありますが、子どもが私の目を見てくれません。 
A: 子どもが相手の目を見ることが難しいときには、相手のおでこや顔周辺を見るように教えましょう。

Q: 保育士養成学校で教えているのですが、子育てをしたことがない生徒たちにCSPを教えるためにはどうすれば
  いいでしょうか?
A: CSPを活用しているクラスで生徒が実習をできるような機会を作りましょう。
実際に子どもたちを相手に練習をすることが大切です。

2014年10月17日金曜日

第2回「発達障害児向けボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング」を終えて

2014年10月4日(札幌市)、9日(泉佐野市)、11日(宮崎市)にて第2回「発達障害児向けボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング」研修を開催しました。
2回目となる今回の研修は「特別な配慮が必要な行動をする子どもを、家庭・自治体・支援者・学校・専門家が共通コンセプト(共通言語)を用いて、どのように支援・援助していくか」ということを中心にレクチャーが進められました。
レクチャーでは、現在、ボーイズタウンが南カリフォルニア州にて取り組んでいる実例をあげながら、最新プログラムを紹介しました。
参加者は、ボーイズタウンプログラムの基本コンセプトである「社会スキル」の選び方や優先順位の付け方、子どもの援助計画「サービスプラン」の作成方法などを熱心に学んでいました。
今回のテキストには、今翻訳中で来年春出版予定の「Teaching Social Skill to Youth with Mental Health Disorder」より、広汎性発達障害、注意欠陥多動性障害、精神発達遅滞、反応性アタッチメント障害、行為障害に有効な社会スキル(基本・中級スキル)を加えております。
ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティングで学んだ「社会スキル」を家庭や現場で実践する時、または援助計画を作る時などに、お役立ていただければ幸いです。
お忙しい中、多数のご参加をいただき、ありがとうございました。


指導者の方へ大切なお願い

ボーイズタウンコモンセンスペアレンテイングの講座で他のプログラムを混成して使用されている報告がございます。
これはボーイズタウンの著作権に関わる違法行為となりますので、ご留意頂きますようお願い申し上げます。
DVDや壁チャートもガイドブックに添って指導者研修で実施された通りにご使用下さい。
尚、プログラム混成が特定化されますと、資格失効だけでなく、著作権の乱用で賠償に発展する恐れもございます。
プログラム通り行うことが最も参加者の利益になりますのでこ協力の程よろしくお願いいたします。

2014年8月28日木曜日

第2回「発達障害児向けボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング」開催にあたって

 ボーイズタウンの「コモンセンスペアレンティング」は、一人一人の子どもに必用な社会的スキルを、子どもに達成感を与えながら指導するように出来ています。多くの方が既に「コモンセンスペアレンティング」幼児篇、学齢期篇を受講されて、スキル練習(スキルトレーニング)をとおしてこの技術を身につけておられると思います。

  このモデルは、発達障害の医学的診断を受けているお子さんや、それに近い行動をもっておられるお子さん(多くのお子さんがボーダーライン・ケースで診断がつきにくいことは知られています)についても用いる事が出来ます。

  既に、幼児篇で発達段階に合わせてスキルを教える大切さを学ばれたと思いますが、発達障害を持ったお子さんや、それに近い行動をとられるお子さんについても同様です。その医学的診断の内容を理解して、そのお子さんに適した、そして必用な社会的スキルを教えることはとても大切なのです。それは、毎日の生活を問題行動の後始末につかうのではなく、子どもの将来の幸せに向けて具体的な教育をするステップとなります。

  ボーイズタウンは、独自の病院を持っているだけでなく、今迄に支援してきた子どもの膨大なデータから、それぞれの医学的な診断を受けたお子さんや、それに近い行動を示されるお子さんに適した社会スキル(ソーシャルスキル)を選び、段階別に優先順位をつけています。しかし、毎日の生活の中で問題となるのは、ADDやADHDといった中心となる診断から派生して起きる問題ではないかと思います。今回のセミナーでは、中心となる診断と派生しておきる問題をどのようにつなげ、どのような社会的スキルを教えればよいのかをボーイズタウンの上級指導員から直接学びます。
  このセミナーの基礎となる教科書は現在翻訳の最終段階に入っており、来年にも出版されます。(オリジナル:Teaching Social Skills to Youth with Mental Health Disorders)しかし、今回のセミナーでは、二つの中心となる診断とそれに対応する社会的スキルの部分を前もって翻訳編集し、それを利用しながら学ぼうとしています。

  私達のゴールは、子どもの幸せです。パーフェクトな子どもはいません。何か足りないものがあれば、それを補う社会スキルをつけてあげる事が子どもの幸せにつながります。私達のこのセミナーが皆様の一助となることを願ってやみません。

 ボーイズタウン・プログラム対日代表 
 久山康彦リチャード博士

2014年7月23日水曜日

第2回「発達障害児向けボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング ~効果的にほめて、学校や社会で適応する力を育もう!~」研修を開催します

今年の4月、大阪・泉佐野市にて第1回「発達障害児向けボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング」講座を開催し、皆様から大変好評をいただきました。 
今年の10月には、再び米国ボーイズタウンより講師が来日し、全国3カ所(札幌市、泉佐野市、宮崎市)で、第2回「発達障害児向けボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング ~効果的にほめて、学校や社会で適応する力を育もう!~」研修開催が決定いたしました。

この研修は、ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティングを学ばれた幼児版上級指導者・初級指導者、学齢期版初級指導者および連続講座受講者を対象とした、エクステンションプログラムのため、ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング講座を受講されていない方はご参加いただけませんので、予めご了承ください。

 ※該当する資格や連続講座を受講していない方のお申込に関しては、下記認定団体にお問合せください。

  • 社会福祉法人麦の子会 (電話:011-776-6856、メール:muginoko@muginoko.com)
  • NPO法人親支援プログラム研究会 (電話:090-9662-1515、メール:oyasien.kenkyukai@gmail.com)
  • NPO法人Com子育て環境デザインルーム(電話:0739-26-1609、メール:com@comdesign-npo.com)
  • オッジヒューマンネット (メール:cspnet2013@yahoo.co.jp) 
  • エンパワメントみやざき(電話:0985-58-2602、メール:kosodatemiyazaki@yahoo.co.jp) 


 第2回「発達障害児向けボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング」開催概要
★参加費用:7,600円(テキスト代、税込み)
 ※開催地によってお申込みフォームが異なりますので、ご注意ください。

【北海道札幌市】お申込フォーム
★開催日時: 2014年10月4日(土)13:00~17:00(予定)
★開催場所: 札幌市内(決まり次第、お知らせいたします)
★定  員: 80名

【大阪府泉佐野市 】お申込フォーム
★開催日時: 2014年10月9日(木)10:30~16:00(予定)
★開催場所: 泉の森ホール・1階マルチスペース(大阪府泉佐野市市場東1-295-1)
★定  員: 150名

【宮崎県宮崎市 】お申込フォーム
★開催日時: 2014年10月11日(土)10:30~16:00(予定)
★開催場所: 宮崎大学医学部総合教育研究棟プレンテーションルーム(宮崎市清武町木原5200)
★定  員: 80名

皆様からのお申込をお待ちしております。

ウェブサイトをリニューアルしました!!

日頃からご支援・ご協力をいただき、ありがとうございます。日本事務局の新美です。

 昨日関東地方でも梅雨明け宣言が出され、本格的な暑い夏がスタートした感じですが、皆様体調等崩されておりませんでしょうか? 

本日、ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティングのウェブサイトをリニューアルいたしましたので、是非一度訪問してみてください!
何かお気づきの点がございましたら、お気軽に事務局までご連絡をいただければ幸いです。

引き続き日本事務局では、ボーイズタウン・コモンセンスペアレンティングの普及に向け、活動をされる皆様のサポートをしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

ボーイズタウンCSP事務局
新美

2014年7月19日土曜日

宮崎市・初級指導者養成講座の募集締め切りのお知らせ

2014年9月13日・14日宮崎市にて開催されます初級指導者養成講座は、定員に達したため募集を締め切りました。
たくさんのお申し込みをいただきまして、ありがとうございました。

米国・ボーイズタウンについて

コモンセンスペアレンティングは、フラナガン神父がボーイズ・ホームで使用したファミリー・ホーム・プログラムを受け継いだものです。 フラナガン神父は、1917 年ネブラスカ州オマハに、当時の家のない非行少年のための入所施設として、「ボーイズタウン」を設立しました。彼の哲学は、「悪い子どもは、いない。ただ悪い環境と、悪い学習があっただけです。」というものでした。神父は、子ども達に愛、教育、そして、職業訓練を提供しました。 1970 年代の後半に、ボーイズタウンは、カンザス大学で開発された施設養護のティーチング・ファミリー・モデルを増え続ける非行少年を支援するために採用しました。 以降、このプログラムは青少年(男女共)と家族向けの様々なプログラムに進化していきました。

  • コミュニティー支援サービス:外来の子どもと家族のサービス、コミュニティーの教育サービスと支援、ボーイズタウン・全米ホットライン、コモンセンスペアレンティング
  • 訪問在宅型家族支援
  • 里親支援:一般の里親、専門里親 
  • 専門的なケアが必要なグループ・ホーム(Treatment Family Homes)
  • 介入とアセスメントサービス:アセスメント、一時保護、介入とアセスメント・ホーム
  • より専門的なケアが必要なグループ・ホーム 
  • 集中居住治療

US-Japan Advanced Skill Training Center について


 私達の団体は、カリフォルニア州トーレンス市に本部をおくアメリカ連邦政府認可非営利法人です。私達は、2003年より日本の児童養護団体の依頼を受けて全米最大の児童養護法人で8万人の子供にサービスを提供するボーイズタウンとの橋渡しをしてまいりました。創始者であり日本の児童基本法の基を据えたフラナガン神父の精神を受け継ぎ、その理念とペアレンティングを含む最新の養護技術を日本の方々に提供することをその目的としています。
 主な業務は、ボーイタウンの研修に必要な教科書や書式の翻訳、研修の通訳提供のサービスがその主な仕事です。唯一のボーイズタウンの対日プログラム責任団体としてボーイズタウンの経験を積んだ上級指導員が日本で実際に指導者の指導ができるようにする事は勿論、最新著作の著者と直接にコミュニケーションをとりながら翻訳できることも私達の強みです。既にボーイズタウンの主要な4冊の教科書や副読本、指導用DVD、指導マニュアル、パワーポイント、書式集等を翻訳し、現在も来年の出版を目指して新しく発達障害を持ったお子さんのスキル指導教本を翻訳しています。 私達の出版は、直接ボーイタウン出版から出版される為に日本の出版社によって左右される事はありません。最も必要とされる書物を必要とされる方々の手元に届く事が最も大切と考えています。
 私達は、過去10年にわたり提供してきた児童養護施設や地方自治体への養護技術研修の経験やノウハウをベースに、より多くの方々に効果的なペアレンティングの技術を学んで頂くために、ボーイズタウンと日本のNPO団体の皆様と協力して最新のコモンセンスペアレンティングを提供しています。また、利用者の視点を重視し、皆様のお使いなる「コモンセンスペアレンティング」の教科書は、実際にお使いになった方々のフィードバックを日本のNPO団体の方々がインプットし使いやすく、分かりやすく再編集されたものです。
 私達の法人のもう一つの大切な仕事は法務です。ボーイタウンの全ての著作やプログラムは知的財産権が設定されています。私達は、2008年にはアメリカ連邦政府とカリフォルニア州より非営利法人資格を取得しボーイズタウン法務部より日本で行なわれる研修などのプログラムを実施する権利と日本語翻訳権などの著作権取得を完了しています。
 ボーイズタウンは、今迄の施設養護経験の膨大なデータを持っています。それだけでなく病院や里親支援サービス、そして全米で行なわれているコモンセンスペアレンティング・クラスのフィードバックから、常により効果的な良いプログラムを提供しようとしています。私達は、その最善で効果的なものを日本の皆様に提供する為に今後も努力してまいります。

2014年7月18日金曜日

代表の挨拶


 コモンセンスペアレンティングは、アメリカのボーイズタウンが作りだしたペアレンティングのプログラムです。このプログラムを学ぶためには二つのとても大切な事柄を理解してから始めなければなりません。それは「愛情」と「スキル」です。ボーイズタウンでは、この二つを車の両輪といって欠く事のできないものと必ず話します。
  ペアレンティングに近道がない事は誰でも知っています。子育てには時間がかかります。愛情と時間をかけて、子どもが見せる少しの進歩を繰り返させます。ですから、愛情と時間をかける事なしに、知識と技術だけでコモンセンスペアレンティングを使うことには無理があります。
  しかし愛情だけでは十分ではありません。なぜなら、子どもに必要な社会スキルをつける事なしに、子どもが上手に社会で暮らすことが出来ないからです。しかし、子どもに社会スキルを教えるには親も練習が必要です。毎日の生活の中で自然に子どもにスキルを教えるのには、スキルを教える練習をする事が不可欠です。ですからスキル練習のないコモンセンスペアレンティングはあり得ません。
  この二つに共通する事は、時間と手間がかかる事です。しかし、この手間を惜しむと子どもに大切な結果は出ません。ボーイズタウンは、コモンセンスペアレンティングで結果を出す事を大切に考えています。それは、子どもがより多くの良い行動を多くとり、家庭が幸せになる事を目的としているからです。
  このプログラムを日本で発展させるにあたり、指導者の育成を第一に考えました。ボーイズタウンのコモンセンスペアレンティングを知り尽くしたボーイズタウンの上級指導教官が直接指導して、厳しいと言われる指導者の基準に合格した人だけにプログラムの管理指導が出来るようにしました。それは、子どもに良い結果を出すにはプログラムを自己流ではなく忠実に実行する必要があるからです。更に、必要なフィードバックが日本国内で十分でない場合には、直接ボーイズタウンからフィードバックができるシステムを作ったのです。
  私達は、ボーイズタウンのプログラムを日本で行う認可を得た唯一の団体です。皆さんが使われている本の著作権は全て私達の非営利法人が所有しています。既に皆さんがお使いになっているボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング®の幼児篇、学齢期篇は、 ボーイズタウンとコミュニケーションを取りながら丁寧に翻訳され、監修者の堀健一先生始め、認定団体の方々にご協力をいただき、読者が読みやすく、そしてわかりやすいテキストが完成いたしました。更に、私達はこのボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング®の指導法を身につけた方々が、社会スキルを分解して教えるためのスキルブック、そして医学的診断を受けた子ども達に社会スキルを教える本を現在準備しています。 発達障害やその他の医学的診断を受けたお子さんが、より良く生きられる社会スキルを教えることもボーイズタウンでは大切な働きと考えているからです。
  ボーイズタウンは、病院や施設を持つだけでなく様々な状況の子どもに必要なものを提供し続けて来ました。アメリカでは、最大の児童援助団体として尊敬される団体として知られています。私達はその蓄積された知識と技術を皆さんに提供し、このプログラムにふれる一人一人の子ども、そして家庭が最善の助けを得て幸せになることを心から願ってやみません。

 ボーイズタウン対日プログラム代表
久山康彦リチャード博士
Executive Director
US-JAPAN ADVANCED SKILL TRAINING CENTER