2014年7月18日金曜日

代表の挨拶


 コモンセンスペアレンティングは、アメリカのボーイズタウンが作りだしたペアレンティングのプログラムです。このプログラムを学ぶためには二つのとても大切な事柄を理解してから始めなければなりません。それは「愛情」と「スキル」です。ボーイズタウンでは、この二つを車の両輪といって欠く事のできないものと必ず話します。
  ペアレンティングに近道がない事は誰でも知っています。子育てには時間がかかります。愛情と時間をかけて、子どもが見せる少しの進歩を繰り返させます。ですから、愛情と時間をかける事なしに、知識と技術だけでコモンセンスペアレンティングを使うことには無理があります。
  しかし愛情だけでは十分ではありません。なぜなら、子どもに必要な社会スキルをつける事なしに、子どもが上手に社会で暮らすことが出来ないからです。しかし、子どもに社会スキルを教えるには親も練習が必要です。毎日の生活の中で自然に子どもにスキルを教えるのには、スキルを教える練習をする事が不可欠です。ですからスキル練習のないコモンセンスペアレンティングはあり得ません。
  この二つに共通する事は、時間と手間がかかる事です。しかし、この手間を惜しむと子どもに大切な結果は出ません。ボーイズタウンは、コモンセンスペアレンティングで結果を出す事を大切に考えています。それは、子どもがより多くの良い行動を多くとり、家庭が幸せになる事を目的としているからです。
  このプログラムを日本で発展させるにあたり、指導者の育成を第一に考えました。ボーイズタウンのコモンセンスペアレンティングを知り尽くしたボーイズタウンの上級指導教官が直接指導して、厳しいと言われる指導者の基準に合格した人だけにプログラムの管理指導が出来るようにしました。それは、子どもに良い結果を出すにはプログラムを自己流ではなく忠実に実行する必要があるからです。更に、必要なフィードバックが日本国内で十分でない場合には、直接ボーイズタウンからフィードバックができるシステムを作ったのです。
  私達は、ボーイズタウンのプログラムを日本で行う認可を得た唯一の団体です。皆さんが使われている本の著作権は全て私達の非営利法人が所有しています。既に皆さんがお使いになっているボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング®の幼児篇、学齢期篇は、 ボーイズタウンとコミュニケーションを取りながら丁寧に翻訳され、監修者の堀健一先生始め、認定団体の方々にご協力をいただき、読者が読みやすく、そしてわかりやすいテキストが完成いたしました。更に、私達はこのボーイズタウン・コモンセンスペアレンティング®の指導法を身につけた方々が、社会スキルを分解して教えるためのスキルブック、そして医学的診断を受けた子ども達に社会スキルを教える本を現在準備しています。 発達障害やその他の医学的診断を受けたお子さんが、より良く生きられる社会スキルを教えることもボーイズタウンでは大切な働きと考えているからです。
  ボーイズタウンは、病院や施設を持つだけでなく様々な状況の子どもに必要なものを提供し続けて来ました。アメリカでは、最大の児童援助団体として尊敬される団体として知られています。私達はその蓄積された知識と技術を皆さんに提供し、このプログラムにふれる一人一人の子ども、そして家庭が最善の助けを得て幸せになることを心から願ってやみません。

 ボーイズタウン対日プログラム代表
久山康彦リチャード博士
Executive Director
US-JAPAN ADVANCED SKILL TRAINING CENTER

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